【漫画解説】相続放棄について

【解説】

これ、実務では実はよくあるケースです。
相続人が、妻と子の場合において、子が独り立ちしている場合、子の気持ちとしては
お母さんにもらってほしいという気持ちから相続を放棄してしまうことがあります。

ここが落とし穴です。
本来、このケースでは何も揉める要素がありません。
しかし、子が相続放棄をしてしまったことによって、
相続人が配偶者と亡くなった人の親、もしくは亡くなった人の兄弟となってしまいま
す。

その結果、住んでいる家を、妻の名義にしようとすると、夫の親や兄弟に了承を得な
いといけなくなります。

この場合、正解は相続放棄をせず、遺産分割協議書を作成し、「妻と子で、すべての
財産を妻が相続する。」と定めればそれでよかったのですが、
わざわざ相続の放棄の手続きをしてしまったことで事態を悪化させてしまう結果にな
りました。何かを決断する前にまず専門家に相談してください。
というのはこういったところからも来ています。

イラストレーター「うるぶりに」