Q,今年、父親が亡くなりました。父親は遺言書を残しており、その遺言書の記載のとおりに相続手続を行おうとしましたが、相続人の一人から「その遺言書は要件を守ってないから無効ではないか」とのクレームが入りました。

要件とはなんでしょうか?

A,依頼者の親が作成していたのは自筆証書遺言でした。

自筆証書遺言には厳格な要件が法律で定められており、この要件に一つでも欠陥があると遺言書は無効になります。

自筆証書遺言で注意する事

自書

遺言者が全文、日付、氏名を自書すること
自筆証書遺言の要件の一つ目は、「遺言者が全文、日付、氏名を自書すること」です。「自書」とは遺言者が自分の手で書くことですから、一部分でも遺言者以外の人が書いた部分があれば遺言書全体が無効となります。日付をスタンプで押した場合も無効です。

遺言書に書きたい内容が長くなる場合にはパソコンのワープロ等を使って作成したくなるかもしれませんが、パソコンを利用した遺言書も無効になってしまいます。

遺言書の本文だけではなく、日付や氏名も自書しなければなりません。日付のスタンプも無効になります。
また、「令和2年3月吉日」のように具体的な年月日が特定されない書き方は無効となってしまいますので注意が必要です。

押印する

自筆証書遺言の要件の二つ目は、「押印をすること」です。押印がない遺言書は無効です。印鑑は実印でも認印でもかまいません。

自筆証書遺言を作成するときには後のトラブルを予防するために、ご高齢の場合は医師の診断書、遺言書のコピー、写真を撮っておくなどの後で確認できる資料を残しておくことが大事です。

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